残業時間の上限|36協定と月45時間の関係
最終更新: 2026-09-07
求人票の「固定残業45時間分」という記載を見たとき、45時間という数字が法律上どういう位置づけなのかを知っておくと、条件の意味が読み取りやすくなります。
求人票の本文を貼り付けると、この記事で説明している項目を自動で切り分けて表示します。
求人票を分解する36協定とは
労働基準法では、労働時間の原則を1日8時間・週40時間と定めています。これを超えて時間外労働をさせるには、労使間で協定を結び、労働基準監督署に届け出る必要があります。労働基準法第36条に基づくため、一般に36協定と呼ばれます。
36協定を結べば無制限に残業させられるわけではなく、時間外労働の上限が法律で定められています。
原則の上限と特別条項
時間外労働の上限は、原則として月45時間・年360時間です。臨時的な特別の事情があり、特別条項付きの協定を結んでいる場合には、この原則を超える取り決めが可能ですが、その場合にも上限が設けられています。
求人票の固定残業時間が45時間に設定されている場合、原則の上限と同じ時間数が想定されている、という関係になります。ただしこれは「実際に毎月45時間の残業がある」という意味ではありません。実際の平均残業時間は求人票からは分からないため、確認が必要な項目です。
| 区分 | 上限 |
|---|---|
| 原則 | 月45時間・年360時間 |
| 特別条項あり(年間) | 年720時間以内 |
| 特別条項あり(単月) | 休日労働を含めて月100時間未満 |
| 特別条項あり(複数月平均) | 休日労働を含めて2〜6ヶ月平均で月80時間以内 |
| 原則の月45時間を超えられる回数 | 年6回まで |
求人票から読み取れること
固定残業時間の記載からは、その求人がどれくらいの時間外労働を想定して制度を設計しているかが読み取れます。20時間分と45時間分では、想定されている働き方が異なります。
一方で、実際の残業時間、繁忙期の偏り、特別条項付きの協定があるかどうかは、求人票からは分かりません。書かれていない項目について推測せず、確認する対象として扱うのが確実です。
- 読み取れること … 制度として想定されている時間外労働の水準
- 読み取れないこと … 実際の平均残業時間、繁忙期の偏り
- 固定残業時間を1日あたりに換算すると働き方が想像しやすくなる
確認しておきたいこと
残業に関する条件は、求人票の数字だけでは判断しきれない部分があります。応募前や面接時に確認しておくと、入社後の認識のずれを防ぎやすくなります。
- 直近の平均残業時間は月どれくらいか
- 繁忙期と閑散期で差があるか
- 固定残業時間を超えた分は別途支給されるか
- 残業時間の管理方法(申告制か、打刻か)
よくある質問
固定残業45時間分の求人は法律違反ですか?
固定残業時間の設定そのものが違法というわけではありません。月45時間は36協定における原則の上限と同じ時間数であり、その水準で制度が設計されているということになります。実際の運用がどうかは求人票からは分からないため、平均残業時間を確認しておくとよいでしょう。
月100時間まで残業させてよいということですか?
そうではありません。原則は月45時間・年360時間で、特別条項はあくまで臨時的な特別の事情がある場合の例外です。単月100時間未満という数字は例外的な場合の上限であり、常態として想定されるものではありません。
管理職には残業の上限は適用されませんか?
労働基準法上の「管理監督者」に該当する場合、労働時間や休憩・休日に関する規定の一部が適用されない扱いがあります。ただし該当するかどうかは職務内容や権限、待遇などの実態で判断されるものであり、役職名だけで決まるものではありません。深夜割増賃金は管理監督者にも適用されます。
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