固定残業代(みなし残業)とは?求人票での見方と計算方法
最終更新: 2026-09-04
求人票でよく見る「月給30万円(固定残業代6万円・45時間分を含む)」という表記。この数字が実際に何を意味するのかを、計算しながら確認していきます。
求人票の本文を貼り付けると、この記事で説明している項目を自動で切り分けて表示します。
求人票を分解する固定残業代とは何か
固定残業代(みなし残業代)は、あらかじめ一定時間分の時間外労働に対する割増賃金を、毎月定額で支払う制度です。実際の残業がその時間に満たない月でも、定額が支給されます。
厚生労働省の指針により、求人票に固定残業代を記載する場合は「固定残業代を除いた基本給の額」「固定残業代の額と何時間分か」「固定残業時間を超えた分は別途支給する旨」の3点を明示することが求められています。
- 残業が0時間の月でも、固定残業代は支給される
- 固定残業時間の範囲内では、追加の残業代は発生しない
- 固定残業時間を超えた分は、別途支払われるのが原則
「45時間分」が意味する働き方
月45時間の時間外労働は、月の勤務日を20日として計算すると1日あたり約2.25時間です。定時が18時であれば、平均して20時15分前後の退勤になる計算になります。
労働基準法上、36協定による時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間です。特別条項付きの協定がある場合は例外規定がありますが、原則の上限と同じ時間数が固定残業として設定されている、という関係になります。
ただし、これは「その求人の残業が必ず45時間ある」という意味ではありません。実際の平均残業時間は求人票からは分からないため、確認が必要な項目です。
| 固定残業時間 | 1日あたり | 定時18時なら |
|---|---|---|
| 月20時間分 | 約1.0時間 | 19:00前後 |
| 月30時間分 | 約1.5時間 | 19:30前後 |
| 月45時間分 | 約2.25時間 | 20:15前後 |
| 月60時間分 | 約3.0時間 | 21:00前後 |
基本給を計算してみる
固定残業代は「月給に含まれる」形で書かれることが多いため、基本給を知るには差し引き計算が必要です。
例えば「月給300,000円(固定残業代70,000円・45時間分を含む)」の場合、基本給は 300,000 − 70,000 = 230,000円 です。
基本給を確認しておきたいのは、賞与や退職金が基本給を基準に算定されることが多いためです。同じ月給30万円でも、基本給が27万円の求人と23万円の求人では、賞与の計算基礎が変わる場合があります。
| 求人A | 求人B | |
|---|---|---|
| 月給 | 300,000円 | 300,000円 |
| 固定残業代 | 30,000円(20時間分) | 70,000円(45時間分) |
| 基本給 | 270,000円 | 230,000円 |
| 固定残業まで働いた時の想定時給 | 約1,667円 | 約1,374円 |
確認しておきたいこと
求人票の数字だけで判断できない部分があります。応募前や面接時に確認しておくと、入社後の認識のずれを防ぎやすくなります。
- 実際の平均残業時間は月どれくらいか
- 固定残業時間を超えた分は別途支給されるか(記載がない場合は特に)
- 残業が固定残業時間に満たない月も同額が支給されるか
- 基本給はいくらか(賞与・退職金の算定基礎になるため)
よくある質問
固定残業代がある求人は避けたほうがよいですか?
固定残業代の有無だけで良し悪しは決まりません。残業が少ない月でも定額が支給されるという側面もあります。時間数・基本給・超過分の扱いを確認したうえで、ご自身の希望する働き方と照らして判断するのが現実的です。
固定残業時間を超えて働いた場合はどうなりますか?
超過分については別途、割増賃金が支払われるのが原則です。求人票にその旨の記載があるかを確認し、無い場合は応募先に確認するとよいでしょう。
残業が固定残業時間より少なかった月は減額されますか?
固定残業代は定額で支払われる性質のものであり、実際の残業が少ない月に減額されることは想定されていません。運用が異なる場合もあるため、気になる場合は確認しておくと安心です。
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